自動化された現場にはたくさんのデータがあります。
例えば ロボットが動けば、そこには“各軸のトルクデータ”、“動作速度データ”、“位置データ”等、たくさんのデータが生まれます。
AlliomWaveは、このような自動化設備や稼働中のデータを有効に活用して、品質の異常検知や異常発生予測、設備自身の故障予測を行うことができます。
ものづくり現場へAIを導入し、品質の異常検知を行うためには大量の異常データが必要になります。一方、ものづくり現場の設備は最大限正常に動作するように設計されているため、”異常データの収集が困難”という課題があります。
AlliomWave Studioは10件程度の異常波形データから、大量の疑似異常波形データを数分で生成(疑似波形生成機能)できますので、異常波形データ収集の時間が大幅に短縮され、AIの導入を加速できます。疑似波形データを使うことで、判別精度が向上することも確認できています。
判別精度の高いAIを生成するためには大量かつ多様なデータが必要です。例えば同じ傾向のデータを大量に学習すると、”学習データに似たデータを正しく判別できても、傾向が異なる未知のデータを正しく判別できない”といった事態に陥ります。
AlliomWave Studioでは実際の波形データに対し、ノイズ付加や縦横軸方向への膨張・収縮などの複数の処理を行い、もとの波形データの特徴を備えた多様な疑似波形データを大量に生成することができます。疑似波形データは正常異常関係なく生成することが可能です。
疑似波形データを生成した際に、どれくらいもとの波形データに近いのか、「類似度」という指標を使って確認することができます。
もとの波形データに似たデータだけでなく、目的に応じて傾向が異なる波形データを収集するために類似度が低い波形データを選別したりすることができます。
AlliomWave Studioはプログラミング不要。
AIモデルの作成は簡単な画面操作でお客様ご自身で行うことができます。
(お客様がお使いのAI開発環境で、生成した疑似波形データを使ってAIモデルを開発することもできます※。)
※ オプション機能
YASKAWA Cockpitで収集した波形データを使って異常を検知するために必要な”AIを使った解析”、”解析結果の表示”を実行するYASKAWA Cockpitのアドオンソフトウェア”AlliomWave Connect”を準備しております。
お客様が開発するのはAIモデルのみです。
※工場の設備や装置を接続することで、生産現場のデータ収集・蓄積・解析を一括して行うことができる安川電機のソフトウェア。
ボールねじが劣化すると、位置決め精度が低下し、結果的に後工程の搬送物の把持エラーにつながります。
そこでボールねじが劣化した時に発生する異常状態を検知して、把持エラーが発生する前に保全をしたいという要望がありました。
この製造ラインは立ち上がったばかりで、異常データは10件程度しか収集できませんでした。製造ラインで異常データを十分な数取得しようとすると数か月はかかり、今ある異常データのみでAIを生成しても正解率90%止まりでした。
AlliomWaveで、この少量(10件)の異常データから疑似波形データを300件生成し、このデータを使ってAIを学習させることにより、数分で正解率100%に近づけることができました。
学習に使用した波形データ | 正解率 |
実際の異常波形データ:10件 | 90% |
実際の異常波形データ:10件 +疑似異常波形データ:300件 |
99% |
ものづくり現場以外のデータでもAlliomWaveの有効性を確認しています。ペット型ロボットが柔らかい地面と硬い地面を歩行した際の加速度データ(オープンになっている波形データ)を使用し、柔らかい地面と硬い地面どちらの地面を歩いているかを判別するAIを作成しました。この実例では、柔らかい地面のデータは潤沢にあるものの、硬い地面を歩いているデータが不足しているという仮定のもと実験を行いました。よって硬い地面で歩いているデータは10件のみでAIを生成しました。その結果、正解率が低く64%止まりでした。
AlliomWaveで、少量の硬い地面で歩いているデータ(10件)から疑似波形データを100件生成し、このデータを使ってAIを学習させることにより、数分で正解率を大幅に向上させることができました。
学習に使用した波形データ | 正解率 |
実際に硬い地面で歩いている データ:10件 |
67% |
実際に硬い地面で歩いている データ:10件 +疑似波形データ:100件 |
94% |
STEP①
現場のデータ準備
稼働中の設備や装置から正常波形データと少量※1の異常波形データを収集します。
もし、捉えたい事象に対してどの波形データが有効かがわからない場合は、"有効データ寄与度ランキング"を使って、有効なデータを選定※2します。
※1 10件程度。
※2 本機能はAlliomWaveに含まれません。当社にて実施します。
STEP②
データを作る
AlliomWave Studio上で少量の波形データを活用し、もとの波形データの特徴を備えた疑似波形データを大量に生成します。
STEP③
AIを作る
疑似波形データや現場で取得した波形データを使用して学習を行い、異常検知や故障予測を行うAIモデルを生成します。
STEP④
AI実行
生成したAIモデルを現場の推論用PC内のAlliomWave Connectで実行します。
YASKAWA Cockpitで収集した波形データを使って、波形データを使って異常を検知するために必要な”AIを使った解析”、”解析結果の表示”をYASKAWA Cockpitのアドオンソフトウェア”AlliomWave Connect”で即実現できます。
お客様が開発するのはAIのみです。
また、AlliomWave Edgeを利用することで、YASKAWA Cockpit以外のデータ収集システムと連携することも可能です。
AlliomWave EdgeはAIモデルを実行するためのインターフェース(Python※ API)を提供していますので、異常を検知した際にメールで通知するなど、お客様の目的に合わせて自由にユーザーアプリケーションを作成できます。
※ Pythonは、Python Software Foundationの商標または登録商標です。
YASKAWA Cockpitで収集した波形データを使って、波形データを使って異常を検知するために必要な”AIを使った解析”、”解析結果の表示”をYASKAWA Cockpitのアドオンソフトウェア”AlliomWave Connect”で即実現できます。
お客様が開発するのはAIモデルのみです。
AlliomWave Connectを使って、AIで正常・異常を判別した結果や、異常の区間を表示することができます。
例えば、ねじ締め品質の検査では、直前のねじ締め作業で取得したデータを使って、ねじ締め作業が成功したか否かがすぐにわかるので、次工程への不良流出を防止できます。(自工程内での対処が可能)
AlliomWave Connectを使って、異常の度合いを数値で示した”異常度”の変化を確認することができます。
異常度のプロット表示で異常傾向を視える化することができるので、早い段階で品質異常や設備自身の故障の傾向を把握でき、異常発生前の対処が可能となります。
例えば、ねじ締め品質の検査では、トルクの異常度と回転角度の異常度の変化を確認することで、ねじ締め品質の分析に役立ちます。
AlliomWave Studio(AIモデル開発用PC) | AlliomWave Edge(AIモデル実行用PC) | |
OS | Windows10 Pro 64bit (日本語或いは英語) | Windows10 Pro 64bit (日本語或いは英語) |
CPU※1 | Intel Core i7 以上 | Intel Core i7 以上 |
CPU メモリ | 32GB 以上 | 8GB 以上 |
ストレージ空き容量 | Cドライブに1TB以上※2 | 10GB以上 |
※1 Intel社製のCPUのみサポートしております。
※2 モデル学習用のソフトは Cドライブ固定でインストールするため、 Cドライブへのアクセス権が必要です。
STEP①
お問い合わせ
AlliomWaveについてご興味がございましたら、
お気軽にお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
STEP②
ご提案
お客様のご要望をヒアリングさせていただき、実現に向けた進め方をご提案します。
STEP③
検証フェーズ1
AlliomWaveで作ったAI モデルの性能を検証し、実現可否を判断します。
(検証用データのご提供をお願いする場合があります。)
STEP④
検証フェーズ2
導入を想定した検証環境を準備し、導入の可否判断のための検証を実施します。
STEP⑤
導入
お客様の設備としてご活用ください。
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